商品に欠陥がある場合はクレジットの支払いを拒否できます

購入した商品に欠陥があったり引き渡されなかった場合、販売会社ではなくクレジット会社(信販会社)にローンの支払いを拒むことはできるでしょうか。

結論からいうと、できます。

ただし、無条件に支払い拒否が認められるわけではないので、根拠となる法律と支払い拒否が認められるための要件をまとめました。

抗弁の接続とは

商品に欠陥があったり引き渡してもらえないのは販売会社と購入者との間の問題で、この販売会社と購入者との売買契約は、クレジット会社(信販会社)に販売会社への代金支払いを立て替えてもらうローン契約とは、法律上は別の契約といえます。

よって、販売会社と購入者との間のトラブル(商品の欠陥や引き渡しの遅れなど)はクレジット会社(信販会社)には関係なく、購入者はローンを支払いながら販売会社とのトラブル収束を図る必要があるともいえますが、そもそも購入者のローン契約は購入者と販売会社との売買契約が前提にして成り立っているので、消費者保護の観点から

  • 購入者と販売会社
  • 購入者とクレジット会社(信販会社)

双方の契約に関連性を持たせようという考え方があり、これを「抗弁の接続」といいます。

抗弁の接続の概要

上述した抗弁の接続は割賦販売法30条の4他の条文に取り入れられており、この条文では、クレジット契約(ただし金融商品など他の法律で規制されている商品は除く)については、購入者は購入者と販売会社に生じているトラブルの事実をクレジット会社(信販会社)に対しても主張してローンの支払いを免れることができると定められています。

抗弁の接続が認められるための要件

以下の場合に抗弁の接続によるローン支払いの拒否が認められます。

◇信用購入あっせん(クレジット契約)を利用して商品を購入したこと
◇販売会社に対して抗弁事由があること
◇支払い総額が4万円以上(リボルビング払いのときは38,000円以上)であること
◇購入者にとって商行為とならないこと

抗弁事由とは

抗弁事由は「購入者を保護するためできる限り広く解すべき」とされており、「原則として販売業者に対して主張しうる事由であれば、およそこれをもってあっせん業者に対抗することができる事由」となります。

抗弁事由の具体例
◇売買契約が成立していない
◇商品が引き渡されなかったりサービスの提供がされない
◇商品に瑕疵(欠陥)がある
◇見本やカタログなどに掲載されている商品やサービス内容が違っている
◇商品の販売条件となっている役務が提供されない
◇クーリングオフにより契約が解除できる

抗弁の接続が認められない場合

逆に以下の場合は抗弁の接続が認められず、したがってローンの引き落としを止めることはできません。

◇クレジット契約が割賦販売法の適用を受けないとき
◇クレジット契約が割賦販売法の適用を受ける場合であっても売買契約等が割賦販売法第35条の3の60第2項第1号(商品の購入が営業のため、営業としてのものであるとき)に該当するとき(業務提供誘引販売個人契約・連鎖販売個人契約にあたる場合は除く)
◇現金販売価格に分割払い手数料を加えた総額が4万円未満のとき(リボルビング払いの場合は現金販売価格が 3 万8千円未満のとき)
◇購入者の支払いの停止が信義に反すると判断されたとき

クレジット会社(信販会社)からの引き落としを停止するためには

クレジット会社(信販会社)に対して支払い停止の旨を告げる書類(支払い停止の抗弁書)を郵送します。

【手順】
1.利用したクレジット会社の支店や営業所窓口に備えてあるので、利用したクレジット会社に対して「支払い停止の抗弁書」を送ってもらうように申し出ます。

2.必要事項を記入し、利用したクレジット会社に対して「配達証明付きの内容証明郵便」で郵送します。

「配達証明付きの内容証明郵便」で郵送することが必須ではありませんが、万が一のことを考えて郵送の事実を証明できるようにしておくことをおすすめします。

なお、「支払い停止の抗弁書」のサンプルや書き方は下記リンクより入手ください。

【日本クレジット協会】支払停止等のお申出の内容に関する書面

引き落としの停止処理が間に合わず代金が引き落とされてしまったら?

クレジット会社(信販会社)に対して「支払い停止の抗弁書」を送ったのが代金引き落とし日に近く、事務手続きの関係で引き落とし日までに支払い停止処理が行われなかった場合は口座から代金が引き落とされますが、後日支払い停止の申し出が正当なものと認められればクレジット会社(信販会社)に対する申し出の日まで遡って代金が精算されます。

なので、このような観点からも「支払い停止の抗弁書」は「配達証明付きの内容証明郵便」で郵送することをおすすめします。

なお、支払い停止の申し出の前に引き落とされた代金は基本返ってこないため、購入した商品に欠陥があったりサービスが提供されないなどの場合は速やかに支払い停止の手続きを進めましょう。